家づくりを進める上で「省エネ性能の高い家」が欲しいと思っても、具体的にどんな家が省エネ性の高い家なのでしょうか。
そこで、これから省エネ性の高い家を建てたいという方が抑えておきたいポイントをいくつかご紹介します。
断熱性とは、建物の中の熱、建物の外の熱、それぞれが内外への移動を少なくすることを指します。この断熱性能は「UA値」で表すことができ、数字が小さいほど熱が逃げにくい断熱性の高い家ということを表します。
地域ごとに異なる省エネ基準は「地域区分」で確認ができます。
私達の住む仙台市は地域区分4となりますので、推奨UA値は2015年の省エネ基準では0.87、ZEH基準では0.60となっています。
ひとことに「断熱材」といってもさまざまな種類があります。
家づくりを進めるにあたって、使用する断熱材の種類によってはUA値が大きく変化する場合もあるので、断熱材の種類についてもしっかり抑えておきましょう。
無機繊維系断熱材と呼ばれる断熱材の中には、ガラスを主原料とした「グラスウール」、鉱物(無機物)由来の「ロックウール」があります。
これらの無機繊維系断熱材は、主原料によってそれぞれ特性が異なりますが、比較的断熱性能が高く、火や湿気に強いという特徴があるほか、音を伝えにくいため防音効果なども期待できます。
木質繊維系断熱材と呼ばれる断熱材の中には、「セルロースファイバー」や「インシュレーションボード」などの木質由来の材料を使った断熱材を指します。
木の特性である熱の緩和や防音効果、調湿効果といった特徴のある断熱材で、自然由来の原材料であることから、環境だけでなく住む人の健康にも貢献できる断熱材です。
発泡プラスチック系断熱材は、プラスチックを発泡させることで中に細かい空気を閉じ込めるタイプの断熱材です。
「押出発泡ポリスチレン」はボード状の断熱材で、薄くて軽いながらも断熱性が高く、水や湿気に強い特徴があります。
また、「高発泡ポリエチレン」は、断熱性だけでなく柔軟性や防水性が高いメリットがありますが、火に弱いという特徴もあります。
家づくりを進める中で、断熱性とセットで聞くのが「気密性」です。この気密性とは、「家の中の隙間をなくし、家の中と外の空気の出入りが少ないか」を指します。
断熱性が高くても、気密性が低ければ元も子もないため、断熱性と同じくらい気密性の高さも重要です。
気密性を数値で表す場合は、「C値」という値が用いられ、建物全体の隙間の合計から建物の延床面積を割ることで算出できます。
このC値についても地域ごとの区分があり、数値が小さいほど気密性の高い家を表します。
気密性の高い家を建てるには、断熱材のように素材を選ぶだけでは不十分です。
家の隙間をなくすためには、注意しなければならないポイントがいくつかあります。以下のポイントを抑えて快適な家づくりを進めていきましょう。
窓は、冬場に結露をするなどで困った経験がある方も多いでしょう。気密性の高い窓を採用することで、結露対策と同時に気密性を上げることができます。
窓で注意すべき点は、サッシです。いろいろな素材のサッシがある中で、「樹脂製のサッシ」がもっとも気密性・断熱性が高いため、サッシ選びで迷った場合は、樹脂サッシがおすすめです。
人が出入りをするたびに開け閉めする「玄関ドア」も、選ぶ種類によっては気密性を下げてしまう場合があります。なるべく隙間をなくして気密性を高めたいという場合は、「片開きドア」を採用するようにしましょう。
使い勝手の良さから「引違いドア」や「片引きドア」を選びたい方も多いですが、気密性の面ではおすすめできません。
換気口については、空気を通す部分になるので隙間のないものを選ぶには限界がありますが、第2種換気や第3種換気を選ぶことで、強制的に吸気だけを行うことが可能です。
気密性を高めながら計画的な24時間換気ができる場合は、換気口にフィルターを取り付けることで、外気が直接家の中に入ることを防げるため、汚染部室を室内に入れることを防げます。
気密性を高める工夫はこれだけではありません。隙間ができやすい部分としては、天井や壁、基礎との接合部やコンセント周りにも注意が必要です。
施工する住宅メーカーによっては「気密テープ」を使ってなるべく隙間をなくす工夫をしているところもあります。また、なるべく外壁側にコンセントをたくさん作らないということも大切です。
家の快適性を左右するのが「断熱性」と「気密性」です。住宅メーカー任せにするのではなく、後悔のない家づくりをするためにも、断熱性と機密性について知っておくことが大切です。
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・ロゴスホーム:約300の間取りプランがあり、太陽光パネルが標準装備されている。
・サイエンスホーム:国産の木材にこだわった自然素材の家を提供し、「真壁づくりの家」でグッドデザイン賞を受賞。
・コペルハウス:選定条件に当てはまる8社のうち最長の保証期間(30年)を設ける会社のなかで、宮城県内での施工実績を公開しており、実績数が最多。
※1 参照元:グッドデザイン賞公式HP(https://www.g-mark.org/award/describe/42805)※2015年度グッドデザイン賞受賞(2022年12月21日調査時点)
※2 参照元:コペルハウス公式HP(https://coper-house.jp/company/)(2022年12月21日調査時点)